運営委員長挨拶

運営委員長 向井 稔

このたび、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会(産応協/ICSCP)の運営委員長を拝命いたしました、株式会社東芝の向井です。
当協議会は、産業界におけるスーパーコンピューティング技術の利活用を促進し、産業の発展・強化につなげることを目的に、2005年12月に設立されました。その活動は、「HPC(High Performance Computing)技術ロードマップ」の公開や、国やアカデミアが所有する共用の大規模計算施設の運用改善に向けての提言、国内で開発されたアプリケーションソフトウェアの普及啓発に向けた事例研究、人材育成に向けたセミナー開催など、多岐に展開して参りました。
当協議会の活動内容は、大きくS・T・E・Pの4つのカテゴリーで構成されております。すなわち

S:Spreading(普及啓発活動)
T:Technology Professional Development(人材育成活動)
E:Expansion of Utility(国産アプリケーションの利用拡大)
P:Policy Recommendation(施策提言・意見集約)

の4つです。一つ一つの活動は地味ではありますが、将来の産業界の発展に必ず結び付くものと考え、地道なSTEPを刻んでいく所存です。

さて、HPC技術の活用においてシミュレーション技術は、理論、実験と並ぶ「第三の科学」として以前より注目されており、その重要性はさらに高まっているところです。加えて近年は、 DX などの潮流を背景にHPC技術活用の新たな側面として、「第四の科学」と呼ばれる IoT 技術やAI 技術にも大きな注目が集まっています。このような新たな技術の潮流は、我が国が掲げる次世代社会構想「Society5.0」の実現に向けて重要な技術となり得ます。産応協では、シミュレーション技術だけではなく、AI、データサイエンス、さらには量子コンピューティングなどをテーマとした企画も積極的に取り入れ、活動の幅を広げていきたいと考えています。
産応協の新しい取り組みにもご着目いただき、今後とも引き続きご支援、ご協力を頂きたく、よろしくお願い申し上げます。

スーパーコンピューティング技術産業応用協議会
運営委員長 向井 稔
(株式会社東芝 執行役員 研究開発センター所長)